卒業式が終わり、在校生と職員で卒業生をお見送りした後、卒業生は三々五
々、担任の先生と写真を撮ったり、「卒業式」の看板の前で写真を撮ったり
して過ごしていました。
それを、やや離れたところから見ていた私のところへ、一人のお母様がやっ
て来ました。面識のある方ではありませんでしたので、何か質問でもあるの
かなと思っておりました。
「先生、○○の母親です」
「あ、○○さんの。この度はおめでとうございます」
「ありがとうございます。先生、楽しい理科の授業を本当にありがとうござ
いました。」
「いいえ。何だか、いつも脱線ばかりで申し訳ありませんでした」
「子どもが理科の授業をとても楽しみにしていました」
「そうですか。ありがとうございます。卒業してからも頑張ってください」
「ありがとうございます。お世話になりました」
学級担任を離れ、教務主任という立場になり、子供とどういうスタンスで向
きあえばいいのか分からないままに1年が過ぎました。学級担任をしていた
頃のように、子供と深い関係が築けるわけでもありません。何をやっても手
応えがないような気がして、どういうふうに自分を納得させるのか、考える
日もありました。
しかし、今日、このお母様からひとつのヒントをいただいた気がします。
畢竟、教師は「一隅を照らす」者だとは、私の信念の一つです。1年間の出
授業を通して、一人でも私の授業を楽しみ、感謝してくれる子供や保護者が
いたとすれば、それはまた教師としての大きな喜びだと思います。
このことを大切な宝物として、これから心の中で育てていこうと思います。
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