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海の命 3

海の命の3時間目です。今回もしゃべり、説明が多くなってしまいました。


●太一がなかなかつり糸をにぎらせてもらえなかったのはなぜか、ということを考えていましたね。その理由は何でしょうか。

・与吉じいさは太一がお父さんのように死んでしまうことがないように、釣りをさせなかった。

○今の意見について「なるほど」と思う人は「なるほど」、いや違うと思う人は「いや、違う」と書きなさい。

「なるほど」26日
「いや、違う」2人

○いや、違うという人で理由が言える人?

・(しどろもどろ)

○死んでしまうことがないようにって思うんだったら、初めから弟子にしないんじゃないの?

・ああ、そうか。
・そう言われればそうだ。

○ほかの考えを聞いてみましょう。

・与吉じいさは太一のことをまだまだだと思っていたから。

○何がまだまだなの?

・釣りの技術

○与吉じいさは太一の釣りの技術がまだまだだと思っていて、釣り糸をにぎらせなかった、この意見について「なるほど」と思う人は「なるほど」、いや違うと思う人は「いや、違う」と書きなさい。

「なるほど」10人
「いや、違う」18日

○いや、違うという人で理由が言える人はグーにする。

・与吉じいさは、太一に基本的なところから教えたいと思っていたから。

・見て学べ、と思っている。

○何を学べと思っているのかな?

・・・・・
・太一は小さい頃から漁師になろうと思っていたし、お父さんにもあこがれていたから、ある程度の技術はもっていたから、技術がまだまだというのは違う。

○うん。太一はもう15歳くらいだし、漁師の家に生まれて育って父親と一緒に漁に出たりしていると考えるのが自然だから、ある程度の技術はあったんだろうね。だから、釣らせるつもりなら釣らせることができた。でも、与吉じいさは太一に釣らせることがなかった。それはどうしてかということなんだよね。

・太一は釣りをする技術はあるけれども、そのまま釣りをさせると、いくらでも釣ってしまうから、その後で「千匹に一匹でいいんだと」という与吉じいさの考えかたを分からせるために釣りをさせない。

○うん。太一は釣りの技術はある。でも、つりをさせてもらえない。そう書いてあるすぐ後に与吉じいさの言葉が書いてあるよね。「与吉じいさは独り言のように語ってくれた」ってあるけど、どうして独り言のように言ったのかな? 太一に面と向かって「いいか太一」って言えばいいのに。

・与吉じいさは太一に言うと同時に自分にも言ってるんじゃないか。

○みんな、面と向かって言われるのと、独り言のように言われるのじゃどんな違いを感じる?

・独り言のように言われた方が分かる。

○そうだね。与吉じいさは、自分にも言うほどの大事なことを太一にもぜひ分かってほしかったんだろうね。だから、独り言のように言った。そのことが分かってもらいたくて太一に釣りをさせないわけだ。

○「千びきに一ひきでいいんだ。千びきいるうち一ぴきをつれば、ずっとこの海で生きて行けるよ」ということは、与吉じいさは太一に何を伝えようとしているのだろう?

・魚を捕るときには千びきに1ぴきくらいをとるんだということ。

○そういうことは何だろうね。魚を釣る技術に対して何だろう?

・心

・精神

○うん。技術に対して、心とか精神とか、つまり在り方だよね。(板書「技術―在り方 心・精神」)そういうのを与吉じいさは太一に分かってもらいたかったのだろう。



●ところで、「ずっとこの海で生きていけるよ」というところの「生きていける」(板書)ということには、3つの意味があるんだけどどういうことだろうか。ノートに書いてみよう。
○生きていけるということはどうすることなのだろう。

・ずっと将来も漁ができるということ。

○うん。ひとつはずっと続けていけるということだね(板書「続けていける」)

○もうひとつは単純なことなんだけど。

・・・・・

○生活できるということだね(板書「生活できる」)。つまり、食べていける。

○そしてもうひとつはこれはちょっと難しいから教えるけど、生きる資格があるということだね(板書「資格がある」)

○つまり、与吉じいさは「千びきに一ぴきを捕る、そういう気持ちで漁をすれば、この海の魚を捕って生活できるし、それはこの先もずっと続いていけるし、この海で漁をしていく資格があるということを太一に伝えたいんだ。



○では、次のところから195ページ3行目までを黙読しよう。

●「船に乗ってこそきたが」と書いてあるけど、「こそ」(板書)ってどういう意味だか分かる?

・・・・・

○辞書を引いてみよう

・強調する

○船に乗っていることを強調(板書)しているんですね。船には!乗っているんだよ、でも何もしないよっていうことです。太一が全部やっているんだね。



●すると与吉じいさがまた「ふっと声をもらした」 前の場面の独り言と同じだね。「自分では気づかないだろうが、おまえは村一番の漁師だよ。太一、ここはお前の海だ」 「お前の海だ(板書)」ってどういうことだろう。ノートに書いて見せに来てください。

・太一が漁をする海。

・太一の技量が抜群になったということ。

・太一がこの海で漁をしていいということ。



●じゃあね、ここはちょっと置いておいて次のところ。与吉じいさは暑いのに毛布をのどまでかけてねむっていた。これは(「死んでしまった」)、死んでしまったということだけど、そこで太一は「すべてをさとった」(板書)とあります。いったい何をさとった、つまり分かったんだろう。ノートに書いてみよう。これを考えると、さっきの「おまえの海だ」というのも関係してくるよ。

○書けた人は起立。書けた人同士でノートを見せ合ってください。その時に一言感想を言ってあげるといいね。

○その次の行の「海に帰りましたか」とか「今の太一は自然な気持ちで、顔の前に両手を合わせることができた」とかという部分がヒントです。今の太一はできるようになった。でも、以前の太一では無理だということです。

・太一は何かが分かったから

○その何かとは何だろうね。

○では、その答えは次の時間に考えてみましょう。
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栃木県で小学校教員をしています。
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