★お楽しみ会やお別れ会などが行われるようになると、プログラムのひとつとして「プレゼント交換」が入ることがある。お金を掛けないプレゼントという申し合わせをすることもあるが、それでも家にある物で工夫すればどうしても物の差が出てしまう。そんな時に、感動は物でなくても作れるということを知らせる。
お楽しみ会にプレゼント交換がありますね。お金をかけないこと、家にある物を使うことというきまりで、みんながどんなプレゼントを考えているのか、先生もとても楽しみです。
そこで、今日は、物よりもうれしいことがあるというお話をひとつします。
このお話を聞いて、どんなプレゼントにしようか、もっともっと工夫してもらえるとうれしいですね。
東京に「カシータ」という有名なレストランがあります。
このレストランは高橋滋さんという方が経営をしています。
高橋さんはもともとバイクショップを経営していたのですが、いろんなところに旅行にいったりしていたので、そこでの経験を生かしてすばらしいレストランを作ろうと思って作ったのです。
その高橋さんが、世界的にものすごく有名なアマンリゾートのひとつ、モロッコのアマンジェナというところに行ったときのことです。
このホテルのサービスがとにかくすごかったそうです。
高橋さんが行ったのは11月でした。
部屋にはプライベートプール、その部屋に泊まる人だけのためのプールがあったそうです。
でも、さすがに11月ですから夜になるとかなり冷えるのだそうです。
せっかくプライベートプールがあるのに、入れないのは残念だなと思っていたそうです。
ところが、なんとなんと、このプールには1日中お湯が入っていて、寒い時でもプールに入ることができたのだそうです。
さらに、部屋は超豪華。
天井は吹き抜けになっていてすごく高い。
中庭には大きな池。
さすがに世界で有名の超一流のリゾートで、高橋さんはそこで楽しい休暇を過ごすことができたそうです。
では、このアマンジェナに滞在中の高橋さんが一番感動したのは何だったと思いますか?
お料理でしょうか?
景色でしょうか?
ホテルの他の施設でしょうか?
いいえ、違うのだそうです。
高橋さんは、ここに来る前にヨーロッパに滞在していて、そこの時間で生活していたため、こちらの時間にすぐに体が合いませんでした。
これを時差といいますね。
まだ、朝薄暗いうちに目が覚めてしまったのだそうです。
そこで高橋さんは、まだ薄暗い「アマンジェナ」の中庭をジョギングしていたのだそうです。
まだ完全に夜が明けない時に、中庭の広い池の周りを走っていると、向こうからホテルのスタッフが一人、カートを押しながらやってきたそうです。
このホテルでは、泊まっているお客さんの世話をする専属スタッフが何人もいます。
でも、この時のスタッフは高橋さんの知らない人でした。
すれ違う時に高橋さんは、そのスタッフに挨拶をしました。
「グットモーニング!」
その時です。
信じられない言葉がそのスタッフから返ってきたのです。
「グットモーニング、ミスター・タカハシ!」
この出来事が、高橋さんが一番感動した出来事だったそうです。
ホテルに滞在してまだそんなに時間が経っていない時に、高橋さんが知らないスタッフまで、高橋さんの顔と名前を覚えているのです。
こんなすごいサービスはないでしょう。
お湯が入っているプライベートプールよりも、超豪華な部屋よりも、名前を呼んでくれるということが大きな感動を与えることがあるのですね。
それは、意外性というものでしょう。
高橋さんは、自分が顔も知らないスタッフだから相手だって自分のことを知っているはずがないと思っていたのです。
それが、初対面でいきなり名前を呼ばれました。
この意外性が大きな感動を生んだのですね。
皆さんがお楽しみ会で用意するプレゼントも、豪華な物は少しも必要ではないでしょう。
もらった人が思わず「え!」と思うような、意外性のあるプレゼントを考えられたらステキですね。
先生も、これから考えてみます。
お楽しみ会がまたさらに楽しみになりますね。
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[C108] いい話をありがとうございます