ちょっといい学級を作る14のSTEP
学級作りについて、まとまったものを書いて行きます。いつの間にか14の
STEPに・・・。
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│1 ビジョンをもとう
│2 子供との距離感を詰めよう
│3 学級のルールを決めよう
│4 話をきちんと聞く指導をしよう
│5 返事・挨拶・履き物そろえを学校一にしよう
│6 一人一役を徹底させよう
│7 担任の在り方を分かってもらおう
│8 子供との距離感のバランスをとろう
│9 叱られ方を教えよう
│10 楽しい瞬間を作り・楽しいイベントをやろう
│11 子供の自主性を「待って」伸ばそう
│12 忘れ物「0」に取り組もう
│13 教師の思いを語ろう いい話を教えよう よい本を読み聞かせよう
│14 子供主体で大きなイベントをやろう
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│1 ビジョンをもとう④
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「学校にはたくさんのきまりごと、ルールがあるっていうのは、この1週間
のたくさんの会議を通して分かってきただろう? 例えば、朝の会の前に
は国語と算数のドリル学習をするし、2時間目が終われば特別なことがな
い限り校庭に出て遊ぶ。休み時間に入る前に次の授業の準備を机の上に出
しておくとか、筆箱の中には鉛筆3本以上と赤鉛筆とネームペンを入れて
おくとか」
「はい。とってもたくさんあって驚いてます」
「うん、その通りで、とってもたくさんあって驚くほどだよね。だから、正
直言えば、全部をきちんとさせることはかなり難しい。というか、無理だ
と思う」
弘乃さんは「無理でいいの?」と思ったけれども、あまり深く聞かないでお
くことにしました。正直言って、自分でも無理だと思っていたからです。
中山先生はさらに続けます。
「こういうときに起こしやすい過ちが2つあるんだね。
ひとつは、無理だからと言って、通り一遍の指導はするけどあとは適当に
やっておくっていうもの。こういう先生のクラスの子はルールを守ろうっ
ていう意識が低いから、学級全体がだらしのない適当な雰囲気になる。な
んとなくゆるやかで居心地よさそうだけど、利己的で自分だけ幸せになろ
うとする子と、そのあおりを喰う子が出て、隠れ不満は多くなるんだ。
もうひとつは、全てのルールを守ろうとやっきになって頑張るというもの。
こういう先生のクラスは、始めはみんなやる気になって頑張るけど、結局
うまくいかないから、学級としての自己評価が下がってくる。がんばって
いるんだけど達成感がなく評価されない。不満がくすぶってくるんだ」
経験のない弘乃さんにはよく分かりませんでしたが、とにかくメモだけはし
ておこうと思いました。
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│適当に守らせるクラス
│ ・利己的
│ ・隠れ不満
│頑張って守らせるクラス
│ ・はじめはやる気
│ ・自己評価が低い
│ ・不満
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メモをしているうちに、弘乃さんはふと気づきました。
「それで、グローバルルールの中のどこに力を入れるかを考えておくことが
大切になるんですか?」
「うん、その通り。分かってるね。
そこで、学校全体で取り組んでいるグローバルルールの中の、自分は特に
ここをきっちりやって行こうというのをはじめにきめておくと、そのふた
つの失敗をしないで済むことになるんだ。
きめるのはひとつじゃなくてもいいし、あまりにコロコロ変わるのでなけ
れば、途中で変わってもいいよ。大事なのは子供にはっきりと示せるとい
うこと。」
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│・ひとつでなくていい
│・途中で変わってもいい
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「弘乃さんだったら、特にどれを守らせたい?」
「え?」
弘乃さんは突然聞かれて、改めて自分が何も考えていないことに気づきまし
た。
「何も考えてないでしょう?」
「はい・・・」
「そういうことに気づくことも大きな発見だよ。人を教え育てるっていう崇
高な仕事がこれから始まるんだから、教える教師の心構えも大事だってい
うこと」
「はい・・・」
弘乃さんは、中山先生の「崇高な」という言葉を聞いて、何だか自分が教師
としてふさわしくないような、がっかりした気分になってしまいました。そ
れが分かったかのように中山先生はちょっと照れながら、
「なんてかっこいいこと言ってるけど、俺なんて教師になって何年間もそん
なことは考えてなかったよ。最初から考えた弘乃さんはとっても立派だし、
今考えたことで、一歩だけ子供にとって価値ある教師になったね」
子供にとって価値ある教師、という言葉を聞いて弘乃さんはちょっと身を引
き締めました。
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