今日は勤務校の入学式でした。
入学式後、記念撮影をしました。クラス別に、新入生とその親御さんと担任
の先生と校長先生とで集合写真を撮りました。
ところが、新入生が何十人と集まっていますから、全員がベストのポーズと
表情になる瞬間はなかなかやってきません。
前の子の陰にかくれてしまう子、よそ見をしてしまう子、疲れたのか左右に
傾いてしまう子、前屈みになってしまう子、隣の子とおしゃべりを始める子、
前の子をつついたり話し掛けたりする子、などなど・・・。
感心したのは、カメラマンさんの動きでした。
子どもたちへの指示は全て「個別指示」です。ファインダーを覗いて気にな
る子を発見すると、その子のところに小走りで行きその子だけの指示をして
もどってきます。またファインダーを覗いて気になる子がいると、その子の
ところに小走りで行き・・・、という具合でした。
カメラの位置から指示を出すことは、「はい、撮りますよ」などの声を掛け
る以外、一度もしませんでした。
つまり、カメラの位置から声を掛けて指示しても、子どもたちには届かない
し、届いても指示通りに動くことはない、ということを経験から知っている
のでしょう。
少々時間と手間はかかっても、小走りにその子のところに行き個別に指示し
た方が、最終的には早く確実にできるということです。
これは、教室での指導にも言えることだと思います。特に1年生や2年生に
は、個別の声掛けが必要です。まさにカメラマンの姿勢です。
ただし、カメラマンはシャッターが下りる瞬間だけのよい姿勢を確保すれば
いいのに対して、教師の場合は、よい姿勢を持続できるようにさせなければ
なりません。
よい姿勢の持続=一斉授業の成立
と言ってもよいと思います。
一時期、一斉授業よりも個別学習や小集団学習がもてはやされました。体験
的な学習も奨励され(これは現在でもです)、講義形式でじっと座って聞く
授業が相対的に少なくなりました。
こういう流れと、子どもたちが落ち着き無く出歩いたり、授業中のおしゃべ
りがやまなかったりするという現象とが全く無関係とは思えません。
これらはどちらも大切なことですが、「一斉授業の成立」「一斉授業が成立
する学級をまず作る」という視点が、やや疎かにされていたような嫌いがあ
るように思います。
よい姿勢の持続=一斉授業の成立
こういう基礎があって始めて、個別学習も体験的学習も生きてくるのではな
いかと思います。
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