新しい年度が始まりました。学校に新しい職員が加わり、新しい組織ができ
ました。
「教育計画」も新しく作り替えられました。「教育計画」には、校長の経営
方針に始まって、学年学級の経営や各校務分掌の年間計画などが収められま
す。これらは、細かい部分で変わるところももちろんありますが、実質的に
はほとんど変わりません。
それでも、全ての計画を新しく印刷して、新しい「教育計画」を作ります。
これらは費用の面でも手間や労力の面でも、無駄と言えば無駄です。実際、
何年も変更せずに使っている学校、変更した部分だけを差し替えて使ってい
る学校もあると思います。
しかし、この一見無駄とも思える行為にも意味があるのではないかと私は思
っています。
規模は比べようもありませんが、同じものを作り替えるという点で似ている
ものがあります。
「式年遷宮」です。
ご存知の通り、伊勢神宮では、原則として20年ごとに、内宮(皇大神宮)・
外宮(豊受大神宮)の二つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿を造り替え
て神座を遷しています。このとき、宝殿外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計
65棟の殿舎のほか、装束・神宝、宇治橋[1]なども造り替えられるそうです。
(ウィキペディアから)
ちなみに次の遷宮は平成25年だそうです。間もなくです。
どうしてこのようなことをするのか、どうして20年ごとなのか、何の記録
も残っていないのでよく分かっていないようです。
しかしこれによって、建築様式と建築技術が千年以上も受け継がれてきたこ
とは揺るぎのない事実です。当時の建築技術と国力をもってすれば、現在ま
で残る建物を造ることは可能だったようです(法隆寺の例)。しかし、それ
をあえて「作り直す」ことにこだわったのが伊勢神宮で、そのことによって
多くの大切なものが失われずに済みました。
つまり、作り直し、作り替えることで、モノは無くなりますが、モノではな
いコトが残るのだと思います。
そう考えると、あまりにも卑近な例で、書くのも恐縮してしまうのですが、
学校の「教育計画」を作り直すということにも、コトを残す意味があるので
はないかと思えてくるのです。
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